服部幸應のお誕生日の玉手箱

(その6)凍頂烏龍(トン・ティン・ウーロン)

類いまれな豊かな香り

中国茶。その豊かなバラエティと奥深さには、圧倒されるものがある。
製法、産地により、その種類は多彩を極め、質も値段もピンキリだ。
なかでも私が特に気に入っているのは、凍頂烏龍だ。
20代の頃に台湾を訪れたとき、あるお宅でいただいた一服のお茶に驚き、感動した。今まで味わったことのない、五感が醒めるような清々しくも豊かな味わいで、一瞬、花の香りかと思うほど、華やかな香りがした。
これが、凍頂烏龍だった。急須のフタを開けて見せてもらうと、茶葉は美しい緑色で、やや渦巻き状に開き、きれいに並んでいた。一煎、二煎、三煎・・・。新しく注ぐたびに異なる味わいが広がった。

世界の茶の最高峰と絶賛された

ここのところの中国茶ブームで、ご存じの方も多いと思うが、日本でお馴染みの烏龍茶は半醗酵茶。凍頂茶も烏龍茶だが、その醗酵は15%くらいと軽いのが特徴だ。ちなみにプーアール茶は深く醗酵させたもので、長いものだと100年以上熟成させたものも珍しくない。
烏龍茶は、中国、福建省が古くからの名産地として有名。とくに武夷山のものは、明の末期ごろから国内の貴族階級だけでなく、ヨーロッパの人々をもとりこにした。
烏龍茶が台湾へ伝わったのは、1661年頃。台湾の人々は、何年もかけて改良を重ね、類いまれな独自の香りをもつ凍頂茶に育て上げ、今世紀始め頃には、世界の茶の最高峰と絶賛されるまでになった。
凍頂茶のふるさとは、台湾中南部地方南投県、凍頂山麓の丘陵地。なかでも高山地のものは、空気が清涼で、ほどよい湿度に恵まれ、最高のものができる。最高級品は、100gの茶葉が一般の人の1ヵ月の収入の倍もするという。

簡単で最高の飲み方は・・・

さて、中国式にていねいに味わうのもいいが、簡単で最高だと私が密かに思っている飲み方をご紹介しよう。
1.大きめの茶碗に凍頂烏龍(大さじ山盛り一杯)を直接入れ、2.グラグラに沸騰した湯を流し入れて、3.さっと洗い捨てる。4.あらためて湯を7分目まで注ぎ、5.茶葉が開くのを待って、そのまま茶碗から飲む。
茶葉は1回で捨てず、3、4回は味わって、変化する渋味、甘味、香りを楽しんでいただきたい。

服部先生おすすめ 簡単で最高の飲み方(凍頂烏龍)

大きめの茶碗に茶葉(大さじ山盛り1杯半)を入れて、ふっとうした湯を注いで、さっと洗い、湯を捨てる。
湯を7分目まで入れ、茶葉が開くのを待って、そのままいただく。
茶葉は捨てずに、3、4回は新しい湯をさして味わう。
茶葉の量はこぶりの急須で約5g。湯は90度くらい。
急須に湯を注ぎ、あたためてから使う。茶池は、あふれた湯を受けるためのもの。
茶は濃さが均等になるよう、すこしづつ交互に茶碗に注ぐ。

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