服部幸應のお誕生日の玉手箱

(その7)ウオッシュタイプのチーズ

農家によって異なるチーズの味

チーズの世界は誠に、奥深い。以前、チーズの専門家と一緒に、のボルドー地方のチーズ農家を10軒ほど訪ねて回ったことがある。一軒一軒、試食させてもらったのだが、同じ地方、同じ種類のチーズでも川ひとつこえるだけで、また農家ごとに微妙に味が違っうことがはっきり分り、驚いた。
(考えてみれば、日本の味噌だって、昔はみんなそうだった。)
主人にわけを聞くとその大きな理由は、まずは牧草だという。牧草は、土質、水はけ、日照条件などによって状態が異なり、それを食べた牛や山羊の乳の味が変わる。さらに、その土地や農家固有の醗酵菌が大きな決め手となって、味わいが醸されるからだという。

くさいが、中はとろけるようにクリーミー

チーズのなかでも私が惚れ込んでいるのは、最も強烈な匂いを放つウオッシュタイプのチーズ(以下ウオッシュチーズ)だ。このチーズは、特殊な菌をうえつけて醗酵させ、ワインやリンゴのブランデーなどの地酒や塩水で洗って熟成させるもので、非常に手間ひまがかかっている。ノルマンディーやブルゴーニュ、アルザス地方など産地はいろいろだが、いずれもまことに臭い! しかし、外皮のなかは、とろけるようにクリーミーだ。
ウオッシュチーズにもヴェック、リヴァロ、エポワス、ルブローション、マンステールなどいろいろあるので、食べ比べてみるのも楽しい。

薄切りリンゴや干しイチジクと一緒に

さて、ウオッシュチーズにはライムギの平焼きパンや、胚芽を一緒にひいた素朴で個性の強い田舎パンがよく合う。
そしてぜひ試してほしいのが、ゆでたてのほくほくポテトや薄切りのリンゴにのせて、また干しイチジクやアンズ、プラムなどと一緒に。これが実によく合う! 外皮は、食べても残してもお好み次第だ。
もう一つ、私の一番のお気に入りの食べ方をご紹介しよう。
ウオッシュチーズの真ん中をくぼませ、そこにワインを注ぎ、オーブンで数分熱する。これをフォンデュのようにパンにつけて食す。部屋中が臭くなって、みんなに嫌がられるが、うまいのなんの!
最後にワイン選びだが、基本的には、同じ土地生まれのものは相性がよい。そして、ウオッシュチーズのように個性の強いものには強いワインを。この二つを覚えておけば失敗はない。

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