服部幸應のお誕生日の玉手箱

(その3)淡水エビのトムヤムクン

渾沌たる魅惑のスープ!

いっぱいつまったエビのミソを、ヒイヒイいいながらスープと一緒に口に運ぶときの幸福感!トムヤムクンは、強い刺激とともに色んな味や香りが一体となり、渾沌たる魅惑の世界を堪能させてくれる。
トムは煮る、ヤムは混ぜ合わせるの意味だが、現地では、トムヤムは<辛くて酸っぱいスープ>をさす。

トムヤムにエビ(クン)を入れたのがトムヤムクン、牛肉入りはトムヤムヌア、鶏肉入りはトムヤムガイ。ほかにも干し魚、白身魚、焼きナマズ、鴨、また魚介類をふんだんに使ったものなど、実に多彩だ。

4つの味のハーモニー

トムヤムのスープの旨さの秘密は、辛酸甘鹹(かん、塩味)の4つの味の、深いハーモニーにあり、タイ料理の中核をなすものだ。
タイ料理は世界一辛いといわれる。それは、乾燥唐辛子より生の唐辛子を多く使うことにある。特に、数ある唐辛子のなかでもプリックキーヌゥ(ネズミのフンという意味)という、青くて一番小さな唐辛子は、とびあがるほど辛い。
酸味はマナーオという柑橘系の果物。甘味はヤシからとったパームシュガー。鹹味は魚醤・ナンプラー(魚を塩漬けにし液を発酵)やカピというエビの塩辛で、深い旨味が凝縮している。これら辛酸甘鹹にレモングラス、コブミカン、生姜に似たカーなどが加わり、トムヤムはさらに複雑な味わいを醸す。

ぜひ、庶民の熱気あふれる屋台で!

一口にトムヤムクンといっても、使うエビにの種類によって、味はかなり異なる。ブラックタイガーなどの海のエビを使うとあっさりした味に。これはこれでうまいが、私が最も好きなのは、淡水のエビで、いっぱいミソが詰まった濃厚な味がたまらなくうまい。
現地ではぜひ一度、この淡水エビのものを召し上がれ!それも庶民の熱気でムンムンする屋台で!
日本では、生のものはなかなか味わえないが、淡水エビのミソをタイから仕入れている店もある。
タイの外温と近づくせいか、日本ではタイ料理は夏場のほうが美味しく感じる。話していたら、無性に食べたくなってきた!

服部先生おすすめのお店(タイ料理)

●ピッキーヌー

東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-9-5
tel.03・3336・6414 11:00〜3:00 17:00〜23:00

タイの宮廷料理の神髄が味わえる。料理は一切つくり置きせず、オーダーされてから。ペースト類もすべて手づくりで、唐辛子もそのつど温めて引くため、香りが素晴らしい。手間がかかっても料理のおいしさの基本だからとオーナーはいう。澄んだスープの宮廷風トムヤムクンをぜひ。価格もリーズナブル!

●バンコク

東京都港区六本木3-8-8
tel.03・3408・8722 11:30〜15:00 17:00〜23:00/第三日曜休

シェフもサービスの人もすべてタイ人。日本人なのは女性のオーナーだけ。といってもそのご主人はタイの人。シェフは開店(20年前)当時から変わらず、ずっとこの店の味を守り続けてきた。材料をぜいたくに使ったメニューは100種以上。どれもうまい。女性の常連さんが多く、35席ほどの小さな店はいつも混んでいる。

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